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8つの着物の種類とは?着物初心者さんにも分かりやすく解説!

今回は、着物の種類に関して解説します。

「子どもと一緒に着物を着てみたいけど、着物は初心者でよくわからない…」

「着物ってたくさん種類があって難しそう…」

このように、着物に興味はあるけどそのイメージから、着物を着れるようになろうと挑戦するのを躊躇してしまう方も多いのでは無いでしょうか?

かつては普段着として活躍していた着物ですが、最近では着る機会が減ってきたので、そう思うのも当然です。現在は成人式や結婚式などで着る「行事の服」としてのイメージが強いかもしれません。

ですが、着物とは本来もっと気軽に着ていいものです。洋服と同じでファッションなので、自分の好きなようにきて問題ありません。

とはいえ、着物にもTPOがあります。洋服で言うと、お葬式の時には喪服を着るとか、結婚式では新婦と同じ白い衣装は避けるとか。

なので守らないといけないことをしっかり抑えた上で、「着物」というファッションを楽しむことをおすすめします。

着物の着付師、レッスン講師をしている私が、8つの着物の種類と定義を紹介するので確認してみてください。

特別な行事だけでなく普段から着物を楽しめるように着物について学んでいきましょう。

 

あなたにとって着物とは?

成人式

あなたは、「着物」と聞いて何を思い浮かべますか?

七五三や成人式、結婚式などさまざまなイベントを思い浮かべたり、夏のお祭りで着る浴衣や甚平を想像したりする方もいるでしょう。

確かに、着物を着るイベント自体が少ないので、人によっては着物を着る機会は人生で数回あるかないかです。

ですが、本来はもっと日常に溶け込んでいてもいいのかなと思っています。

 

  • 友達同士でお出かけをする
  • 夫婦で着物を着てデートをする
  • 子供と一緒に着物を着て写真を撮る

 

なので、まずは着物について知ることから始めてみましょう。

着物の定義と種類について詳しく解説します。

 

着物の定義とは?

「着物」に関連する言葉で「和服」と言う言葉がありますが、そもそもどのように違うのでしょうか。以下でわかりやすく紹介します。

 

和服

和服とは、日本で昔から着てきた衣服のことを指します。

明治時代になると、日本でもシャツやネクタイ、ワンピースなどの西洋の衣服を取り入れるようになりました。その背景から、日本の服と西洋の服を区別するために、「和服」という言葉を使うようになったようです。

 

着物

着物とは、「長着」とも言われ、現代では足首の裾まである和服を指します。

もともと「着物」は「着るもの」という意味で、身に着ける衣服自体を指していました。

ですが日本人の衣服は時代によって変化しており、今と同じ「着物」の形が定着したのは江戸時代です。その後、明治時代になり洋服が入ってくるようになってから、今まで着ていた日本の衣服のことを「着物」と呼ぶようになりました。

現代では、着物といえば日本の伝統衣装である「着物」を指すようになりました。

 

着物の種類とは?

着物は、着物を着る目的や着物自体の特徴から、以下の8種類に分けられます。

着物の種類 特徴
白無垢、打掛 花嫁のみが着用できる最高格の着物。
留袖 未婚・既婚問わず女性が着る最も格式が高い着物。第一礼装。
振袖 未婚女性が着る着物。第一礼装。
訪問着 振袖や留袖の次に格式が高い着物。
付下げ 訪問着に次いで格式高い着物。訪問着よりも落ち着いた絵柄が特徴。
色無地 柄がなく黒以外の一色で染めた着物。
小紋 生地全体に柄が入っているカジュアルな着物。普段着として用いることが多い。
浴衣 主に木綿で作られた単衣(ひとえ)の着物。夏の遊び着。

それぞれの特徴を詳しく解説します。

 

1. 白無垢・打掛

白無垢・打掛どちらも、結婚の催事で花嫁のみが着用できる着物です。

白無垢とは、結婚式のみ着用できる最高格の着物です。白一色で仕立てられており、綿帽子や角隠しと合わせます。

打掛とは、結婚式だけではなく、披露宴でも着用できる着物です。色鮮やかで華やかに仕立てられており、角隠しと合わせます。

 

2. 留袖

留袖には色がついた「色留袖」と黒一色で染められた「黒留袖」があります。

まずは「色留袖」について解説します。

色留袖とは、未婚・既婚問わず女性が着る第一礼装です。上半身が無地で、裾にのみ柄が入っています。

紋の数により、結婚式や子どもの卒業式などさまざまな用途で着用可能で、紋の数が少ないほど、格式が下がります。

黒留袖とは、既婚女性の最も格式が高い着物で、黒い生地に5つ紋が入っています。

黒留袖は、婚礼において新郎新婦の女性親族(祖母、母、姉妹)が着用する第一礼装です。

着物の中でも、特に着る機会が限られるでしょう。

 

3. 振袖

振袖は、未婚女性の第一礼装です。

ほかの着物に比べて袖が長く、成人式や卒業式、結婚式などで着用されます。

袖の長さは60〜120cmまでとさまざまな種類があり、長さによって名前が違います。

大振袖(約114cm)、中振袖(約100cm)、小振袖(約85cm)の3種類に分けられます。

袖が長いほどフォーマルといわれています。

しかし、結婚式で花嫁様が大振袖を着る場合には、ゲストとして振袖のランクを落としたり、

花嫁様の正式衣装とされる黒振袖は避けたりするマナーも大切です。

 

4. 訪問着

訪問着は、振袖や留袖に次いで格式が高い着物です。

袖や衿の縫い目にまたがって柄がついています。また、留袖とは異なり上半身にも柄が入っているのが特徴です。

結婚式や子どもの卒業式だけではなく、食事会などのカジュアルな場にも着用できます。

 

5. 付下げ

付下げは、訪問着に次いで格式が高い着物です。

付下げは、訪問着と違い、袖や衿の縫い目にはまたがっておらず、独立してポイントで柄が入っています。着物を仕立てる際、袖や衿の縫い目にまたがっている訪問着のほうが手間や技術が必要です。そのため、訪問着のほうが付下げよりも格式が高いのです。

付下げは子どもの卒業式や七五三にも着用できます。食事会や演劇鑑賞などカジュアルな場にも着用できるため、幅広い用途で使用可能です。

 

6. 色無地

色無地は、白生地に黒以外の一色で染めた着物です。

無地で柄がない分、帯や小物が映えます。そのため、自分なりの個性を出した着こなしが可能です。

色無地は紋の有無や数、締める帯や紋によって使えるシーンが異なるため注意が必要です。

子どもの卒業式や七五三などのフォーマルな場から、食事会などカジュアルな場所まで幅広いシーンで着用できます。

選ぶ色で相手に与える印象が異なりますので、シーンに合わせて色を選んでください。

 

7. 小紋

小紋は、上下関係なく生地全体に柄が入っている着物です。

基本的には礼装には適しておらず、普段着として気軽に着用できます。

小紋には大きく分けて3種類あります。

  • 江戸小紋…遠目には無地に見えるほど細かい柄
  • 京小紋…ひとつの模様が大きい柄。彩も鮮やかで華やかな印象を与える
  • 加賀小紋…自然をテーマにした柄。刺繍や金箔がないため気品のある印象を与える

TPOに合わせて柄を選んでみてください。

 

8. 浴衣

浴衣は、礼装には適さない薄手の着物です。浴衣を着てお祭りに行ったり、温泉旅館で浴衣を着たりした経験がある人も多いのではないでしょうか。

通気性や速乾性に優れており、現代では夏祭りなどのイベントで気軽に着用します。

柄は花柄から昨今ではハート形など様々で、もともと日本では、寝巻きとして使用されていました。

中に襦袢(和服用の下着)を着用せず、直接着るのが特徴です。

浴衣は、着物よりも親しみがあり、帯をアレンジして楽しむこともできたりと、皆さんにとって一番身近な着物ではないでしょうか。

 

カジュアルなお出かけで着る着物とは?

着物は、日本の素晴らしい文化の一つです。着物を着ているだけで華やかで美しく相手に気品のある印象を与えます。

お出かけに着る着物でしたら、「付下げ」「色無地」「小紋」などが適しています。

ぜひ、自分のお気に入りの柄の着物に帯や小物を合わせて楽しんで欲しいなと思います。

ですが、そのような着物が持つ印象から、「着物はちゃんと着なきゃいけない」「初心者には敷居が高い」というイメージがあり、日常的に着ている人が少ないのも事実です。なので、実際に着物を着るのは成人式や親族の結婚式といった行事に限られる方が多いでしょう。

しかし、最近では映画やアニメでも着物が取り上げられることが多く、私の周りでも「もっと気軽に着物を着てみたいな」という声をよく聞きます。また、実際に着物に対し興味を持つ若者が増えています。若者の中には、ファッションとして洋服と組み合わせてカジュアルに着物を着こなす人もいます。

私のお客様でも、バラ園でお子様の着物撮影をした方も!

ROSE×KIMONO撮影🌹バラ園でアレンジ着物を着て撮影をしました♪

この時はお子様の撮影でしたが、着物もファッションなので、ぜひ自分の思うように楽しんで欲しいと思っています!

着物に対してあまり難しく考えすぎず、ファッションの一つとして、着物を着て自由におしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

今回は、これから着物を着てみたい方に向けて、着物の8つの種類を解説しました。

 

  • 白無垢、打掛
  • 留袖
  • 振袖
  • 訪問着
  • 付下げ
  • 色無地
  • 小紋
  • 浴衣

 

着物は行事のみだけではなく、普段着として着用できる種類も多くあります。

あまり難しく考えず、着物に親しみをもつことからはじめましょう。

わからないことは、ぜひ気軽にご相談ください。

今回の記事を参考に、楽しんで自由に着物を着てくださいね。

またこの記事を読まれている方のなかには、「母から譲り受けた着物を着たい」「子供に着物を着付けてあげたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。

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